2012年9月21日金曜日

マサイランドへ

 ナイロビ国立公園の南側に広がるマサイランドに行ってきました!車で1時間ほど行ったところにあります。住んでいる人のほとんどがマサイの人々で、牛、ヤギ、ヒツジ、ロバなどの家畜を飼って生活しています。青空がとてもきれいで、ゴミが落ちていないのが、とても印象的な場所でした。



 今回この場所を訪れたのは、ヒョウの家畜被害状況を聞きに行きました。公園のすぐ外側ではライオンの家畜被害が多いのに比べ、この地域はハイエナとヒョウによる被害がおおいようです。家畜が殺されてしまっても、補償金などがなかなか支払われず、支払われても小額なために新たに家畜を買うのに十分でないということでした。「野生動物を殺したくはないけれども、自分たちの生活のためにしかたがない」「十分な補償金を支払ってくれれば、殺さない」と言った声が多く聞かれました。

 多くの人たちは30年近くまたはそれ以上この土地に住んでいて、家は簡素なものですが、400~600エーカーの土地を持っています。近くに、大規模なビジネスパークの建設がケニア政府によって予定されているため、ここ2年で土地の値段は大きく跳ね上がり、2年前は1エーカー5万円ほどだったものが、今は70万~80万円になったそうです。それでも、今のところここに住む人々は土地を売ることもなく、簡素な家に住んでいました。

 

 木で囲いがしてあるのが、夜、家畜を入れておく放飼場です。高さは150センチメートルほどでしょうか。ヒョウやハイエナが簡単に入ることができます。柵をもっと高する、あるいは屋根をつけることで、家畜被害は防げると思うのですが、その資金ないとのことでした。ケニアのいくつかの地域で、ライオンやヒョウに襲われない放飼場を作るプロジェクトがNGOなどによって進められていますが、それが有効に作用するのであれば、野生動物保全のためにも、普及させていくべきだと思うのですが。
 

 写真は、おととい生まれたド―パ(ヤギとヒツジ)。肉がおいしいので、よく飼育されているのをみかけます。



 石がゴロゴロしてみえるのは、Seasonal riverです。今は乾季なので水がありませんが、雨期になると川になります。この地域は乾燥すると草も少なくなってしまうので、家畜たちも家から離れた場所に草を食べに行くようです。雨季は、草はありますが、野生の草食動物を追って国立公園からでてきたライオンやヒョウ、ハイエナが家畜を襲いに来るので、夜は寝ずに番をしなければならないこともしばしばあるそうです。水は近くにある井戸水をくみに行くそうですが、遠くて大変だと話していました。ハイエナは通年襲いにくるようですが・・・

 地域の人々の生活も向上させ、野生動物も保全して、共存を目指すのがわたしのテーマですが、本当に難しい問題です。家畜が殺されてしまったときに補償金を出すというのも持続性がないので、家畜の放飼場を改善していくプロジェクトを近い将来立ち上げることができたらいいなと考えています。