2012年9月18日火曜日

道路建設

 ナイロビ国立公園のすぐ北側で大規模な道路建設が行われています。ナイロビの渋滞はとてもひどく、それを緩和するためというのは理解できるのだけど、この工事で野生動物の交通事故や、移動が制限されてしまうことがとても心配です。道路の幅を拡張するらしく、今日は国立公園の木を伐採しているのを目にしました。いたたまれない気分です。


 
 

 写真の左側が公園です。実は、ヒョウは車が少なくなる夜にこの道路を横切って右側の森に移動していることが、わたしの実施している調査でわかりました。何をしにいっているかというと、野良犬やイボイノシシを食べにいっているのです。公園の外の森には人も住んでいる地域が点在しているので、そこに集まる野良犬やイボイノシシを捕まえるために森へ行っていると考えています。また、この森も人家が点在するものの、まだまだ大きな木が残されているので、ヒョウにとっては住みやすい環境なのです。でも、この道路建設で森が縮小され、交通量が多くなったら、ヒョウの行動は今と違ったものになって来てしまいます。実際、今、追いかけているメスのヒョウも、以前は頻繁に公園の外と中を行き来していたのに、最近はほとんど公園の外に出ていて、道路を横切ることがほとんどありません。

 どうにかして野生動物のコリドー(動物の通り道)を確保できないか。いかに、国立公園の外側の環境が、動物たちにとって重要かということを、もっと多くの人に理解してほしいのですが、わたしはまだまだ力不足で、とてもはがゆい思いです。。。