2013年7月24日水曜日

ヒョウが住宅街に?!

 ナイロビは、6月後半から8月にかけて寒く、曇った天気が続きます。そうすると、ヒョウも昼間森の中や岩の上で寝ていると寒いのであちこちを歩き回っているため、目撃件数が多くなります。今までの調査の経験から言っても、ヒョウが罠にかかるのもこの時期が多いです。写真は先週見かけたヒョウ。久しぶりに天気がよかったので、木の上でひなたぼっこ。



6月後半には、ナイロビ国立公園北側の、高級住宅街にヒョウが出現しました。夜間、セキュリティのために庭に放し飼いにする犬を襲ったものでした。ヒョウはとても用心深いので急に来てその日に襲ったりすることはまずありません。1週間くらい毎晩時間をかけてどうやって襲うか戦略を立てます。そして、一気に襲います。だから、住民の人はここ2,3日ヒョウをみかけて怖いから、どうにかしてほしいと連絡してきます。

 先ほどもいいましたが、ヒョウはとても用心深いので、罠をしかけるとたいていその辺りから姿を消してしまいます。なので、罠を仕掛けるのは(今のところ)有効的。今のところというのは、ヒョウはとても適応能力が高いので、罠があっても近づかなければ何も起こらないとわかってしまったら、罠を怖がらなくなり効き目がなくなってしまうかもしれません。
都市部において、野生動物と人が居住地を共有しているようなエリアでは野生動物が人を怖がっていることが、重要なんです。わたしたち日本人みたいに野生動物がほとんどいない環境で育つと、動物と人が友達になるのが良い関係だと思いがちですが、そんなにうまくはいきません。お互い一定の距離を保つことがものすごく重要なのです。罠をしかけているところ。




 あいかわらず、ナイロビ国立公園の周辺は大規模な道路工事が進められていて、このままどうなってしまうんだろうというくらい、森が切られています。たとえ道路をつくったとしても、野生動物の棲みかを奪うのを最小限に抑えるような建設の仕方もあるのに、そういうことは考えていないようです。以前、ケニア野生生物公社に聞いたのですが、道路のプランニングに自分たちも関わっていて、どうすれば自然に優しいものができるか検討しているという回答をもらったのですが、どうやらそうはなっていないようです。。。


 この場所は、もともと森だったとこで、右側に見える木のように、大きな木がずっと続いているところでした。ヒョウもこの森が好きだったので、本当に辛いことです。この先どうなってしまうんだろうか。不安ばかりがつのります。