2012年11月20日火曜日

ゴルフ場で

 18日の夜8時ころ、ヒョウが近所のゴルフコースで目撃されたと聞き、見に行ってきました。近くにあるのは知っていたけど中に入るのは今日が初めて。広くてびっくりしました。220エーカーあるそうです。

 

 
 中をカートに乗って見学させてもらいました。Keriはおおはしゃぎ!そして、ここがいつも行ってる国立公園とは別の国立公園だと思い込んでいました。

 目撃されたのはどうやらメスのヒョウで子供が1頭いるそうです。まだ子供は大きくないようで、夜、クラブハウスにあるレストランのにおいに誘われて出てきたようです。



 ゴルフコースのマネージャーは、会員の人に怪我があると困るから捕まえてほしいと言います。わたしは、難しい立場。こういう街の中にある森が、ナイロビの野生動物たちの生活を維持しているのに、そこから野生動物を取り除いてしまっても、またすぐに戻ってくるだろうし。この辺りは、昔からある大きなお屋敷が多いので、屋敷森のようなものも残っていて、それらが野生動物にとって大変重要なのです。でも、ヒョウはなかなか人を襲わないとはいえ、100%とということはあり得ないし。住民の生活の安全も考えていかなければなりません。
 
 公園の中には小型のレイヨウ類や、イボイノシシ、ハイラックスやサル、ネズミなどヒョウの餌になる動物がたくさん生息しているようなので、人を襲うことはないと思うのですが、インドのムンバイでは、ヒョウの餌になる野生動物が減少してしまったために、人が襲われ、食べられるという被害が深刻化しているという現状もあるので、なんとも難しいところです。


 また、ナイロビは、あまり治安がよくないので、なかなか公道を飼い犬と共に散歩するというのも難しいこともあって、会員の方々はゴルフ場内で犬の散歩をするそうです。犬はヒョウの大好物なので、散歩中に襲われてしまっては、大変というゴルフ場側の話もあり、近々、罠をしかけることになりました。

 
   
 このヒョウは、わたしが今まで確認していない個体なので、ナイロビに生息するヒョウの数が、2頭増えてうれしいです。しかし、施設利用者の安全の問題もあり、捕獲して国立公園にいったん戻すことになるかと思います。ここは国立公園から5キロほどしか離れていないので、どのみちここに戻って来てしまうことになるとは思うのですが。センサーカメラを設置して、いろいろな事がわかるといいです。

 ナイロビの街が道路建設などで森林破壊が進む中、このゴルフ場のような緑地や、大きなお屋敷は野生動物にとって重要な場所となって来ています。このゴルフ場も多くの木を残していて、今のところ切ってしまうような計画はないそうです。街で仕事をしたあとにこの緑の中で汗を流すのが、白人やケニア人の上流階級の楽しみなんだそうです。