2013年5月23日木曜日

またまたサイが

 先週、ナイロビ国立公園でまたまたクロサイが死んだそうです。。。
今回は歳をとった個体で、年齢のせいで死んだのではないかと言われています。

ナイロビ国立公園には約60頭のクロサイがいます。
そしてシロサイが約20頭います。

ナイロビ国立公園は都市に近く、面積も117平方キロメートルと小規模なので、
管理がしやすい、密猟者から護りやすいということで、
ケニアの各地からサイが連れて来られています。
シロサイはすべて他の場所から連れてこられたものです。
クロサイは、ちょっと内訳まではわからないのですが、
もともとナイロビ国立公園に住んでいた個体と、
他から連れてこられたもの。そして、新しくナイロビ国立公園で生まれたものがいます。

今回、死んでしまったクロサイはもともとナイロビ国立公園に住んでいた個体だそうです。

ナイロビ国立公園では、サイに関しては毎年、頭数を数え、耳を切って個体識別をしています。
他から連れて来られたものは、連れてこられるときに目印がつけられているのでわかります。
なので、ナイロビ国立公園で生まれた若い個体が対象になります。

24時間体制で、管理しているので、近年は密猟者に殺されたという報告はありません。


 4月の終わりに、モザンビークのサイが絶滅したというニュースもありました。
やはり、密猟が原因だそうです。最後に15頭残っていたサイを、
野生動物保護区内で管理していたにもかかわらず、すべていなくなってしまったそうです。

ナイロビ国立公園のサイ、ぜひ生き残って欲しいです。


2013年5月7日火曜日

町の中のヒョウ

ナイロビの町にはヒョウがいるんです。

4月18日、市民から通報がありました。
「夜、近所でヒョウを見かけた人がいる。」
「夜中に、うちの屋根を歩いてた」

現場に行ってみると、家の敷地の中にヤギを飼っているお宅でした。
ヒョウはそのにおいをかぎ分けてやってきたのでしょう。


写真の中央、木の扉になっているところが、夜、ヤギとヒツジを閉まっている場所です。
雨の時期になると、野生動物の獲物を捕るのが難しくなってしまうため、
家畜被害が増えてしまいます。

どうして雨期になると野生動物を捕るのが難しくなってしまうかというと、
第1に、雨が降ると、一面緑の草が茂ります。草食動物たちは草食べ放題の状態になるので、
あちこちに散らばってしまうのです。
第2に、野生動物たちも、たいていの動物が水にぬれるのが好きではありません。
だから、雨上がりのぬれた草の中を、餌を探して歩き回るのが嫌なのです。
そこで、手っ取り早く家畜を襲おうと思うわけです。
なので、雨期は、家畜の被害件数が増加します。



わなを設置しに行くと、たくさんの人たちが見に来ました。
でも、何度もいいますが、ヒョウは人目につきにくい動物なので、
見たことある人は、ほとんどいません。
でも、多くの人は怖がっています。「小さい子供がいるから、襲われないか心配だ」
「うちのヤギが食べられないようにするには、どうすればいい?」
など、多くの質問が寄せられます。

質問に答えて、少しでもみんなの不安を解消するのも、
わたしの仕事だと思っています。

野生動物と人が、お互いを干渉し合わない、適当な距離を保つことが重要です。



住民のみなさんの協力を得て、箱罠を設置したところです。

人と野生動物の共存、難しいけれど、
せっかく大都市ナイロビに貴重な資源が残っているので、
それを誇りに思って、大切にしていければいいと思います。




GPS首輪の装着

先月、4月10日に新たにGPS首輪をヒョウに装着しました。

以前もお話したように、ヒョウはとても人目を避ける動物なので、
漠然と、夜行性だと言われていますが、あまりその他のことがわかっていません。

GPS首輪を装着することで、単独性だと言われているヒョウが、
どのように他のヒョウと社会性を持っているのかなど、
いろいろなことがわかってくると予想しています。




首輪装着の手順は、麻酔をかけた後、
体重・体長の測定、首輪の装着、血液サンプル、皮膚サンプル、獣毛のサンプル採取、
写真の撮影などです。

体重測定


今回、首輪を装着したヒョウは若い雌のヒョウでした。
体の大きさ、体重からみて2歳前後だと思われます。





首輪装着後、捕まえた場所に戻します。あるいは捕まえた場所が国立公園の外だった場合は、
公園内で他のヒョウがあまりいない場所に再度放します。



目隠しをして、暗くしてやるとヒョウが落ち着くので、麻酔がよく効きます。

公園内のヒョウを放す場所に行き、ヒョウが目を覚ますまで観察します。
このとき、ライオンなど、ヒョウに危険をおよぼす動物がいないかなど、
周りに注意を払わなければなりません。

この、ヒョウはなかなか目を覚まさずドキドキしましたが、
約1時間後、少しふらふらしながらブッシュに消えて行きました。

とても青い目が印象的な美人さんだったので、
Samawati=スワヒリ語で青いという名前を付けました。

貴重なデータをありがとう!



死んでしまったヒョウ

 久しぶりの更新です。

3月の初め、夜8時過ぎに急に携帯電話がなりました。
「家の近所でヒョウの死体が2体みつかったんだけど!」
「え?」耳を疑いました。

ヒョウを研究していて難しいのが、彼らが頭がよく人目につかない行動をとるため、
観察したり、捕獲したりするのが大変困難だということ。
だけど、そのおかげで、2009年からここナイロビで調査をしていてヒョウが罠にかかったり、
人に殺されたりしたのは2件。ライオンが10頭近く殺されている事を考えたら、
その数も少なく、さらに範囲も国立公園周辺でなく、もっと広域で2頭でした。

それが、1度に2頭も。。。何が起こったのか。

夜、遅かったために現場に駆け付けることができず、
翌朝早く、死体の引き取りと現場を見にでかけました。








死体は連絡があったとおり2頭でしたが、1頭は腐乱が激しい状態でした。
死体を回収した現場を見に行きました。すごく谷が深いところで、
マサイの人が、牛を放牧に行くときにくらいしか通らないような、
険しいところでした。実際、マサイの人に発見されたそうです。

ヒョウが2頭一緒に死ぬというのは、どう考えても自然じゃありません。
死体を検証してみると、どうやら推定年齢1年の若い兄妹のようでした。
1頭はオスだとわかったのですが、もう1頭はほぼ頭蓋骨と皮しか残っていなかったので、
性別が不明でした。

ヒョウが死んでいた場所のあたりでは、他のヒョウの足跡も見つけることができ、
地形的にも環境的にもヒョウの生息地としてとても適している場所だったので、
そこで、ヒョウが死んでいたことに大変ショックを受けました。



自然に死んだのではないということは、誰かが意図的に殺したといいうことなのですが、
まず考えられるのが毒殺です。
ヒョウは先ほどもいったように、人目を避ける性質なので、
人の前になかなかでてきません。
毒を盛った肉などを放置しておいた可能性が高いです。

ヒョウは若い個体だったので、わたしの考えたストーリーは、
1.生後1年ほどたち、母親と離れている時間が徐々に長くなった。
2.自分たちだけで獲物を探さなければならない。
3.まだ狩りが下手なので、兄弟そろって行動する。
4.狩りをしやすい家畜を襲おうと考える。
5.人家の近くで肉を見つける。

調査でヒョウを捕獲してみてわかったのですが、
大人のヒョウはものすごく注意深くて、
なかなか落ちている肉などは拾わないものだということがわかりました。

若いがゆえに、毒の入った肉にかかってしまったんですね。。。
悲しいことです。

わたしが調査している国立公園にはだいたい10頭から15頭ほどのヒョウがいると
考えていて、そのうち2頭が死んでしまったというのはダメージが大きいです。
おまけに、若いオスは繁殖にとってとても貴重ですから、
この事件は個体数に影響を及ぼす出来事として深刻に受け止めなければいけません。






2012年11月20日火曜日

ゴルフ場で

 18日の夜8時ころ、ヒョウが近所のゴルフコースで目撃されたと聞き、見に行ってきました。近くにあるのは知っていたけど中に入るのは今日が初めて。広くてびっくりしました。220エーカーあるそうです。

 

 
 中をカートに乗って見学させてもらいました。Keriはおおはしゃぎ!そして、ここがいつも行ってる国立公園とは別の国立公園だと思い込んでいました。

 目撃されたのはどうやらメスのヒョウで子供が1頭いるそうです。まだ子供は大きくないようで、夜、クラブハウスにあるレストランのにおいに誘われて出てきたようです。



 ゴルフコースのマネージャーは、会員の人に怪我があると困るから捕まえてほしいと言います。わたしは、難しい立場。こういう街の中にある森が、ナイロビの野生動物たちの生活を維持しているのに、そこから野生動物を取り除いてしまっても、またすぐに戻ってくるだろうし。この辺りは、昔からある大きなお屋敷が多いので、屋敷森のようなものも残っていて、それらが野生動物にとって大変重要なのです。でも、ヒョウはなかなか人を襲わないとはいえ、100%とということはあり得ないし。住民の生活の安全も考えていかなければなりません。
 
 公園の中には小型のレイヨウ類や、イボイノシシ、ハイラックスやサル、ネズミなどヒョウの餌になる動物がたくさん生息しているようなので、人を襲うことはないと思うのですが、インドのムンバイでは、ヒョウの餌になる野生動物が減少してしまったために、人が襲われ、食べられるという被害が深刻化しているという現状もあるので、なんとも難しいところです。


 また、ナイロビは、あまり治安がよくないので、なかなか公道を飼い犬と共に散歩するというのも難しいこともあって、会員の方々はゴルフ場内で犬の散歩をするそうです。犬はヒョウの大好物なので、散歩中に襲われてしまっては、大変というゴルフ場側の話もあり、近々、罠をしかけることになりました。

 
   
 このヒョウは、わたしが今まで確認していない個体なので、ナイロビに生息するヒョウの数が、2頭増えてうれしいです。しかし、施設利用者の安全の問題もあり、捕獲して国立公園にいったん戻すことになるかと思います。ここは国立公園から5キロほどしか離れていないので、どのみちここに戻って来てしまうことになるとは思うのですが。センサーカメラを設置して、いろいろな事がわかるといいです。

 ナイロビの街が道路建設などで森林破壊が進む中、このゴルフ場のような緑地や、大きなお屋敷は野生動物にとって重要な場所となって来ています。このゴルフ場も多くの木を残していて、今のところ切ってしまうような計画はないそうです。街で仕事をしたあとにこの緑の中で汗を流すのが、白人やケニア人の上流階級の楽しみなんだそうです。

2012年11月15日木曜日

Wild Flowers

 ナイロビ、少しずつ雨の量も減って来ましたが。雨の恵みは本当に素晴らしくて、大地は緑と様々な色の花であふれています!!

 今日は、仕掛けてあるセンサーカメラの様子をみに行きました。あまり頻繁に見に行くと動物たちが警戒してしまうので、たまにチェックに行きます。今日見に行った場所は、道路から離れているので国立公園の中を徒歩で移動しました。10分くらいの道のりですが、野生動物に会うかもしれないのでドキドキします。

 歩いていると本当に色々な花が咲いていました!植物のことはあまりよくわからないのだけど、野生の花は小さいものが多いように思います。無駄なエネルギーは使わないということでしょうか?雨が降ると一斉に咲くのも、本当にすごいです。

 よく見かけるのは、ナス科、キク科、ハイビスカス科、ユリ科などがよくみられます。日本に咲いているような花を見かけることもあるし、日本では花屋さんでしか見かけないような花もあって、とても面白いです。


これはスミレに似ている花でした。ちいさくて群れになって咲いていました。



これはハイビスカス科の花。色違いで赤いのもあります。



日本でもおなじみのムラサキツユクサ。花が大き目なのに対して茎が短い気がしました。


球根のある花だと思うのですが。。。



 こんなに素敵な雲がみれます。散歩しているととても爽やかで気持ちがいいです。こんな日はヒョウもライオンもバッファローもサイもゆっくり昼寝をしているんだろうなーと想像しながら歩くと、さらに楽しい気分になります。
 

 雨の日には、子供も外で遊べなかったりしますが、日本の梅雨のように1日中ジトジト降り続くことはあまりありません。洗濯ものが乾かない日もありますが、雨は雨でこんなきれいな虹を連れて来てくれることもあります。

 子供たちはおおはしゃぎ!!KeriのWhy?が始まります。「虹はどこから来るの」「誰がつくったの?」「なんでキレイな色してるの?」「あれ、消えちゃった、、、なんで?」



 大きな2重の虹がかかることもあります。遮るものがないので、きれいな半円の虹を見ることができます!!

2012年11月12日月曜日

雨。。。

 最近は、雨が多くて、調査も滞っています。。。そういうときこそデータの整理をすればいいのですが、なかなかはかどらないものです。

 雨が降ると国立公園内の道が、どうにもぬかってしまって、わたしのRav4では心もとないのです。わたしの運転技術にも、きっと問題があるんだと思います。以前は、泥道も、北海道に住んでいたときに雪道を運転していたので、少し自信があったのですが、2011年の5月にスタックして以来、すっかり怖くなってしまいました。

 5月は毎年、悪天候が多いです。2010年の5月はわたしの調査している国立公園内の川が急激に増水して、レンジャーの方が車ごと流されて亡くなってしまいました。同じ日にわたしもまだ生後3カ月のKeriを連れて、公園に調査に出ていたので、ぞくっとしました。

 2011年の5月はどろどろの泥の中にはまってしまいました。その時はHyoちゃんがお腹にいて、つわりがひどかったうえに、雨も降っていて本当に寒かった。。。朝8時にスタックして、抜け出せたのが夕方の5時過ぎでした。メイン道路から外れていたうえに平日だったため、ほとんど車が通らず、
レンジャーのおじさんと2人で、車をジャッキで持ち上げては石を積み、それを繰り返しましたが全くうごかず、埋まって行くばかり。。。夕方の5時過ぎ、近所に住むドイツ人のカップルが通りかかり、引き出してくれました。公園内で寝ることを覚悟していたので、本当に助かりました!

 しかし、その後レンジャーのおじさんは、めったに病気にならないのに、腸チフスにかかり2週間動けず、わたしはつわりがひどくなり寝込んでしまい、仕事を一時中断するはめに。

 大学生の時、ヨットをやっていたおかげで自然の厳しさは痛いほどわかっていますが、急な天気の変化に対応しきれていない自分がいます。それにしてもヨットで培ったロープワークというものが、ここでもとても役立っていることに感謝します。